大切なものを大切にしたくなる。映画『プーと大人になった僕』
実写になった大人気キャラクター『くまのプーさん』
マークフォスター監督によるディズニーの実写映画、「プーと大人になった僕」が公開されています。
少年クリストファー・ロビンとプーやピグレット、ティガー、イーヨーなどの森の仲間たちは、「100エーカーの森」でいつも一緒に遊んでいました。楽しい日々を過ごしていましたが、ある日、クリストファー・ロビンが寄宿学校に入ることになり、森の仲間たちとさようならをすることになります。
時は流れ、大人になったクリストファー・ロビンは、妻のイブリン、娘のマデリンと共にロンドンに暮らし、旅行カバンを作る部署で毎日忙しく働いていました。
残業続きの毎日をおくる中である時、彼が働く部署が閉鎖の危機に追い込まれます。週明けの会議までに改善案を提出できなければ部署は閉鎖され、部下をリストラしなければならなくなるかもしれない。週末の家族旅行の約束との板挟みの末、クリストファー・ロビンは結局休日出勤をすることを選んでしまいます。
旅行先のコテージに向かう妻と娘を見送って会社へ行き、あまり良い案も浮かばないまま疲れて帰宅したクリストファー・ロビンの元に現れたのは、かつてさようならをしたはずの、100エーカーの森の親友、プーでした。
きっと響く言葉がある
物語の中で、プーはたびたび哲学的な言葉を残していきます。
たとえば少年時代にクリストファーがプーに言った「『なんにもしない』が最高のなにかに繋がる」という言葉であったり、赤い風船を大切にするプーが言う、「仕事って、ぼくの赤い風船より大事なことなの」という言葉。
「考えることがヘタ」なプーだけど、以前聞いた言葉は大切によく覚えていて、いつも絶妙なタイミングで言ってくれる。プーが放つ、優しい口調なのに核心を突いてくるような言葉たちに、考えさせられるものがあるはずです。
字幕版か吹き替え版か
主演のクリストファー・ロビンはユアン・マクレガー(吹き替え版:堺雅人)。
トレインスポッティングやスターウォーズシリーズにも出演している、スコットランド出身の英国俳優です。
そして日本語吹き替え版は堺雅人さん。堺さんは声に結構な特徴があるので、第一声目ですぐに堺さんの顔が浮かんでしまいます(笑)。
予告をチェックしてみて、声の印象で気を散らせたくない方は字幕版を、お子さんと一緒に見たいという方は吹き替え版をオススメします。
最後に
予告を見た時は、プーたちのちょっとくたびれたような姿があまり可愛らしく思えなくて心配だったんですが、まったくの杞憂でした。彼らがくたびれているのは、幼少期のクリストファーロビンが彼らとたくさん遊んでいた証拠。大切にされてきた友達だからこそ、本当に大切なものが何かをちゃんと知っていたんですね。
愛らしい森の仲間たちに癒されつつ、じんわりと心に染み入るような作品でした。