失恋に負けず前を向く~古典文学から見る恋愛論:伊勢物語『芥川』編~
文学作品というと、堅苦しい、難しいといったイメージを抱きがち…。だから今まで読んでこなかった、読む気にならないという方も多いのでは?
古典文学を始め、文学作品にはたくさんの恋愛話があります。綺麗な純愛ものからドロドロの複雑愛、「そんなのアリ!?」と驚いてしまうような恋愛まで、その種類も豊富。
難しい…と思っていた作品も、恋愛ものだとわかったらなんとなく読む気になりませんか?
ということで、古典大好きライターroco.が作品中の恋愛事情を中心に、極力わかりやすく文学作品をご紹介!
今回は平安時代のプレイボーイが活躍(?)する伊勢物語から、失恋について考えてみます。
伊勢物語とは?
伊勢物語は全125段の短い物語からなる歌物語で作者は不詳。そのほとんどが「昔、男ありけり」の文章から始まります。
この「男」とは「在原業平」とされ、平安でも指折りのプレイボーイだったとか。たくさんの女性と関係をもち、泣かせたり、泣かされたりしてきました。
伊勢物語の大きな特徴は、歌物語のため各段ごとに和歌が詠まれていること。平安の時代にとって和歌はラブレターのようなものでもありました。相手に自分の気持ちを伝える大切なツールの一つとして活用されることもたくさんあったのです。
そんな伊勢物語で有名な話が第六段、通称『芥川』と呼ばれる作品です。
第六段『芥川』
芥川の話をざっくりまとめるとこんな感じ。
芥川という川まで来る頃には夜も更け、雨雷も激しかったので、男は女性を荒れ果てた蔵に押し込めました。しかし、実はその蔵には鬼がいたのです。
男はそれを知らないまま、弓を持って入口で見張りにつきます。夜が明けた頃、蔵の中を確認すると女性の姿がありません。夜の間に鬼に食べられてしまったのです。男は地団駄を踏んで悔しがったけど、もうどうしようもなかったのです。
『白玉か何ぞと人の問ひしとき 露と答へて 消えなましものを』
(女性が「あれは白玉?それとも何?」と聞いてきたとき、「あれは露だよ」と答えて自分も一緒に消えてしまえばよかったのになあ)
この鬼とは女性を連れ戻しに来た人、女性の親族だと言われています。男によって女性が連れ出されたことを知った親族が、女性を連れ戻したことを、「鬼に食べられた」と表現しています。
男はせっかく女性を連れ出したのに、その駆け落ちは失敗してしまうのです。
“たられば”で文句を言わない
男は女性が連れ戻されてしまったことに気付き、悔しがって地団駄を踏み、和歌を詠みます。そこには女性に対する後悔の念がありました。
「あれは白玉?」と聞かれた時に露と答えて、自分も露のように消えてしまえば。そうすればこんな悲しい思いはしなくても済んだのに。
これは男性から女性への想いですが、女性の皆さんにも思い当たる節はあるのではないでしょうか。
「あの時ああしていれば…」「もっとこうしていれば…」きっと上手くいった恋愛もあった。そう感じたことはありませんか。
特に失恋してしまって後戻りのできない状況になってしまったとき。その後悔はとても大きなものでしょう。
でも結局たらればを言ったところで今を変えることはできません。
傍目から見て、たらればばかりでグチグチ言っている女性はあまり好ましくないですよね。
そんな女性のもとには悪い男しか集まりません。よくない気にはよくないものしか集まらないのです。
前向きに!
別れた彼を想い続けるのも悪いことではありませんが、「一途」な想いが「執着」になってしまうようでは問題です。
後ろ向きに落ち込んでしまうのではなく、前向きに、「この失恋も良い経験だった」と考えられると良いかと思います。
もしも今、過去の恋愛に「ああしていれば…」「こうしていれば…」と後悔して前を向けずにいるのなら、忘れてみるのもひとつの手。仮に忘れられなかったとしても、少しだけ目を背けて、違うことに意識を向けてみると、自然と前を向けるようになっています。
前向きになってみることで、きっと新しい楽しいことや幸せなことが見つかるはずです。
最後に
今回は伊勢物語の第六段『芥川』をもとに、失恋についてみてみました。
冒頭でもお話しましたが、この男、在原業平はいわゆるプレイボーイ、かなりの遊び人でした。
こうして女性を連れ戻され、後悔はしたものの、ほかの女性と関係を持ったりしていました。というか、遊びまくりです。この男、3733人の女性と関係を持ったとも言われています。
ここまで手当たり次第に取っ替え引っ替えで遊び人になれとは言いませんが、こんな風に前向きに新しい恋を見つけることこそ、失恋に対する一番の回復薬なのかなと思います。
綺麗な思い出は綺麗なまま、新しい一歩が踏み出せると良いですね。
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