小説『チュベローズで待ってる【AGE22】【AGE32】』をぜひ読んでほしい
筆者は読書好きですと力強く言えるほどではないのですが(苦笑)小説が好きでよく読みます。
特に『チュベローズで待ってる【AGE22】【AGE32】』(扶桑社)はみなさんに読んでほしい!まじで!
あらすじ
「ホスト、やるやんな?」
就活に惨敗し、自暴自棄になる22歳の光太の前に現れた、関西弁のホスト・雫。
翌年のチャンスにかけ、就活浪人を決めた光太は、雫に誘われるままにホストクラブ「チュベローズ」の一員となる。
人並み外れた磁力を持つ雫、新入りなのに続々と指名をモノにしている同僚の亜夢、ホストたちから「パパ」と呼ばれている異形のオーナー・水谷。
そして光太に強い関心を寄せるアラフォーの女性客・美津子。ひとときも同じ形を留めない人間関係のうねりに翻弄される光太を、思いがけない悲劇が襲う――。
浪人大学生がホストになるってどういうこと!?と思いますが(笑)人間関係の生々しさであったりここはこうなるのか…といった想像力が掻き立てられたり、読むことを飽きさせないんですよね。
チュベローズの注目ポイント
この作品は、AGE22とAGE32という2巻に分かれており、AGE22では主人公の22歳の時の話、AGE32ではその10年後の話が描かれています。
AGE22はとにかく展開が速い。その速さの中で様々な事件が起きて解決していくのでAGE22だけを読むのでも十分おもしろいのでは、と思いきや最後の最後に爆弾が落とされるんですよね。
大きな謎を連れてAGE32が始まります。こちらでも様々な事件が起きるのですが、AGE22で残された伏線を少しずつ回収しつつ10年前の真相が明らかになり、またもや新たな事件が起きてしまうんです。
これは一気に最後まで読んだほうがいいです。てか読んじゃう。
夢中になりすぎて一日が30分で終わっちゃったんじゃないかとか思いますからね。個人差はあります。
作者は唯一無二の肩書を持つ加藤シゲアキ
ジャニーズ事務所に所属し、現役アイドルでありながらも小説家として活動する加藤シゲアキさん。
2012年に小説『ピンクとグレー』にて作家デビューし、今作で単行本は5作目となります。
チュベローズの上巻(AGE22)は元々SPA!で連載されており、下巻(AGE32)は書き下ろしのため上下巻での趣が違います。
加藤さんの著書は様々な業界人からも評価を得ており、今回のチュベローズは芥川賞作家の羽田圭介さんも大絶賛しています。また、作品によって雰囲気がガラリと違いその世界観は独特なもので、“加藤シゲアキ”とは別の名で出版しても必ず売れると言われているほどの実力なんです。
最後に
チュベローズは和名で「月下香(げっかこう)」と呼ばれており「危険な快楽」「官能的」といった花言葉を持っています。強い香りが特徴で、香水などでも使われていますね。
加藤さんは今作で「におい」に意識して書いたとインタビューで答えていて、タイトルにチュベローズが使用されたのもわかりますね。